2007年10月15日月曜日

屋上緑化の目的は

 日本における屋上緑化は、集約型屋上緑化が主流で、特に最近では、庭園や緑地・公園をつくる例が増えています。この場合の植物の使い方は、地上で行う緑化と同じため、集約的で本格的な管理が必要です。また、屋上緑化の培土は厚くなり、層も多層になることから、かなり大規模なものとなるため、ビルなどに適しています。

 一方、自宅の屋上緑化としては、最近では、手軽にできる屋上緑化として、植物用の培土も少量で薄くてすみ、乾燥にも非常に強いセダム類の植物を使った例が増えてきています。

改めて屋上緑化の目的とは


 ここで、屋上緑化の目的をもう一度振り返ってみましょう。屋上緑化の目的は「ヒートアイランド化の防止」、「建物の断熱」といったことに少しでも寄与するところにあるのではないでしょうか。しかし、このベンケイソウ科セダム属の植物は、CAM型光合成を行うため、乾燥に耐えるために太陽の当たる日中は気孔を閉じています。このため水分の蒸散を行わず、蒸散効率も低く、「植物の蒸散によって周辺温度を下げる。」という屋上緑化の目的の一つを達成することはできません。

 このことは、東京都環境科学研究所でも検証され、この結果を受けて、従来から屋上緑化を積極的に推進してきた東京都は、現在では、セダム以外の植物を植えるよう働きかけていくこととしています。

屋上緑化と外来種植物のセダム


 屋上緑化に使われているセダムは外来種のため、種子などが風や虫・鳥によって拡散し、周辺の植物の生態系に影響を与えることも考えられます。ブラックバスやブルーギルが各地の湖で在来種の魚を絶滅寸前にまで追い込んでいるように、セダムは繁殖能力も強いため、植物の世界で同じ事が起こらないとも限りません。環境のための屋上緑化が環境を破壊することになっては本末転倒です。

0 コメント: